インプラントの天敵、インプラント周囲炎とは
2021年12月16日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
インプラントの天敵、インプラント周囲炎について解説いたします。
インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病とも言える状態でインプラント周辺の組織が歯周病に感染し周辺の骨が吸収することで天然歯と同様に抜け落ちる原因になる怖い病気です。
しかもインプラントは天然歯に比べ炎症への抵抗力が弱いため、一度細菌感染を引き起こすと骨吸収が急速に進行し気が付いたときには重症化しているというケースも多いため、日頃の歯ブラシでの感染予防や不良な生活習慣の改善、糖尿病の治療、歯科医師による定期的な検診、予防が重要となります。インプラント周囲炎の一番の原因は歯周病と同様、歯ブラシが不十分で口腔内が不潔な状態となって歯周病菌が増殖することによって引き起こされます。よっておうちでのブラッシングだけでなく、定期的に歯科医院でのプロフェショナルケアによってお口の衛生管理を徹底することが求められます。
また、本ブログの「インプラントに適さない方」でも紹介した通りインプラント周囲炎はコントロールされていない糖尿病や喫煙などの不良な生活習慣とも深く関係していますのでこれらの改善も合わせて行なっていくことがインプラントの寿命を伸ばすことに繋がります。せっかく高い費用をかけて入れたインプラントですから出来るだけ長持ちさせたいですよね。それはオペをした我々歯科医師も同じ思いです。インプラントを長持ちさせるには患者さんと歯科医師が二人三脚でメンテナンスしていくことが重要なのです。