インプラント治療の費用は医療費控除の対象になります。
2021年12月19日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
インプラントが医療費控除の対象になることについて解説いたします。まず医療費控除の概要についてお話しさせていただきますと医療費控除とは その年の1月1日から12月31日までの間にご自身又は生計を共にする配偶者やその他の家族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費の総額が一定の額を超えた場合、所得控除を受けることができる税制上の制度のことです。
まず歯の治療に伴う費用が医療費控除の対象となるかどうかの判断基準としましては
①保険のきかないいわゆるインプラントなどの自由診療によるものや、金やセラミックなどの高価な材料を使用した場合
② 発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。しかし、同じ歯列矯正でも、容ぼうを美化するための審美目的としての費用は、医療費控除の対象になりません。
③ 治療のための通院費も医療費控除の対象になります。小さいお子さんの通院に付添が必要なときなどは、付添人の交通費も通院費に含まれます。通院費は、診察券などで通院した日を確認できるようにしておくとともに金額も記録しておくようにしてください。通院費として認められるのは、交通機関などを利用したときの人的役務の提供の対価として支出されるものをいい、したがって、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代等といったものは、医療費控除の対象になりません。
次に医療費控除できる金額ですがそれは次の計算式で出された金額(最高で200万円)になります。
(実際に支払った医療費の合計額)-(保険金などで補てんされた金額)-(10万円)
最後に医療費控除を受けるための手続としては医療費控除に関する事項その他の必要事項を記載等して所轄税務署長に、確定申告書を提出するか、電子申告(e-tax)にて申告してください。
医療費控除による所得税の還付金は所得税率によって代わるため、高額所得者ほど還付金も増加します。インプラント治療をすでにした方やこれから考えている方はこの制度を是非ご活用ください。詳しくは国税庁ホームページを参考にしてください。
(本文は一部国税庁ホームページから抜粋してあります)