メタボリックドミノと歯科疾患の関係
2021年08月20日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
本日はメタボリックドミノと歯科疾患の関係について解説致します。
まずメタボリックシンドロームとは内臓脂肪症候群のことで内臓のまわりに脂肪が過剰に蓄積し、高血圧、高血糖、脂質代謝異常が組み合わさることでやがては心臓病や脳卒中など重篤な状態を引き起こす状態をいいます。メタボリックドミノとは様々な病気は突然起こるものではなくて 生活の中で喫煙や運動不足、偏食や過食、逆に栄養不足など不良な生活習慣から徐々にドミノ倒しのように病気は発症していくという考えからこのように呼ばれています。
昨今はこの不良な生活習慣だけでなく虫歯や歯周病などの歯科疾患がこのメタボリックドミノと関係性があると言われるようになりました。虫歯や歯周病がひどくなると食べられるものが限られてくるようになり偏食に繋がったり栄養不足になったりします。また、昨今では歯周病と全身疾患との関係性が様々な研究で証明されるようになり歯周病菌が糖尿病や脳卒中、心不全などの疾患の発症リスクを高めることがわかってきております。病気にならないためにはこのメタボリックドミノの一番上流にある最初のドミノを倒さないことです。たかが虫歯、歯周病と考えないで全身疾患予防のためにも定期的な予防歯科を続けていきましょう。