ロシアのウクライナ侵攻で銀歯に使うパラジウムが高騰
2022年04月19日
ロシアのウクライナ侵攻前から銀歯の材料であるパラジウムは年々高くなっており歯科界では銀歯を作れば作るほど赤字になるという現象が起きておりましたがロシアのウクライナ侵攻によりさらにそれに拍車がかかり歯科診療に影響が及んでいます。
銀歯は健康保険の対象で診療報酬が決まっているため、その材料であるパラジウムの値段が上がると歯科医院にとっては赤字が増えるといういわゆる逆ざや現象がおこっているというわけなのです。 そこで厚生労働省は令和4年4月13日、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、歯科の治療に使う銀歯の材料パラジウムの価格が高騰していることを受け、医療機関が銀歯を使った場合に受け取る「公定価格」を5月に緊急で約8%引き上げることを決めました。現在の1グラム当たり3149円を8.38%上げ、3413円とあります。これにより窓口負担3割の患者さんの場合、1カ所の銀歯治療につき数十~数百円程度の負担増につながるものとみられます。
医療機関が仕入れる際の市場価格がロシアのウクライナ侵攻によって急騰し、歯科の現場では採算が合わない事態が発生していたことをうけ中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で了承されたという経緯があります。
値上げにはこのような事情がある事を患者さま各位にはご理解いただきますようお願い申し上げます。