予防歯科で3ヶ月毎のご予約をお願いしているわけ。
2021年11月21日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
本日は予防歯科で3ヶ月毎のご予約をお願いしているわけについて解説いたします。
歯をクリーニングした後はツルツルピカピカになって気持ちいいですよね。あれは歯の表面についていた細菌の固まりバイオフィルムがとれた状態なのです。バイオフィルムとは本ブログの中でも紹介した通り、歯垢中の細菌同志がスクラムを組んで強固で頑固な汚れに変身した状態です。お風呂場の排水口や台所のシンクにできるヌメヌメした汚れに似たもので虫歯や歯周病の原因になります。3ヶ月毎のクリーニングではこのバイオフィルムを除去する作業をしているわけですがバイオフィルムの段階だとPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)といってラバーカップを使って気持ち良く汚れを落とすことができます。
しかし、バイオフィルムは3〜4ヶ月で石灰化し歯石に変身します。歯石になってからの除去だとPMTCでは汚れを落とすことが出来なくなり超音波スケーラーといっても音波の細かい振動で歯石を破壊除去する患者さんにとってはやや不快な器具を使って汚れを落とさなくてならなくなります。定期的なクリーニングが不快で嫌なものだったら予防歯科を続けることが嫌になってきますよね。私どもは患者さんに出来るだけ不快でいやな思いをさせないでむしろ「気持ちいいから通いたい」というような、まるでエステサロンに通うような感覚で歯医者を利用してもらいたいと思っているのです。ですから歯石になる前のバイオフィルムの段階で汚れを落とさせてもらっているというわけなのです。そのタイミングが3ヶ月毎ということになるのです。予防歯科は継続しなければ意味がありません。そのためには通う事自体が苦にならないようちょっとした工夫が必要ですね。