入れ歯を入れて噛むと味がしないって本当?
2022年03月10日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
入れ歯を初めて使った人で味を感じにくくなったという方、いらっしゃいませんか?味を感じにくくなる要因として加齢による味覚障害など様々なものがありますがそのひとつに入れ歯による味覚障害というものもあります。
これにはいくつか理由があるので、今回は入れ歯と味覚について解説致します。
味を感じるのは舌だけだと思われがちですが、味を感じる細胞(味蕾)は舌だけでなく、上あごや頬などの粘膜にも存在します。入れ歯を入れることでそれらの部分が覆われることで味蕾に味が届きにくくなり味を感じにくくなるというわけなのです。それは1〜2歯欠損の小さい部分入れ歯なのか総入れ歯なのかによっても味の感じ方は変わってきます。入れ歯で覆われる面積が増えれば増えるほど味覚が落ちていくということになるからです。
入れ歯による温度感覚の阻害も味覚障害の要因となります。温かいものはその温度で食べた方が美味しく感じるわけですが一般的な入れ歯の素材はレジンというプラスティックのような素材でできており、それを入れることで温度を感じにくくなり味が落ちるというわけなのです。
また、その他の要因としては入れ歯の異物感による心理的な味覚障害も考えられます。味を感じようとすることより異物感のほうが勝ってしまい味を感じにくくなるという現象です。それは入れ歯を入れたばかりの時や噛み合わせの調整がうまく行っていない時に起こりがちです。
入れ歯を入れて味が感じにくくなることは、ある意味しょうがない部分も有りますが噛み合わせの調整をきちんと最後までして入れ歯に慣れていただく、自費治療になってしまいますがレジンという素材ではなく金属でできた入れ歯を作るなどで温度を感じやすく、また覆われる面積を最小限にすることで味を感じやすくする方法もございます。現在お使いの入れ歯で以上のようなお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。
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