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レアレア歯科 なぜなに相談室

原因が無いのに痛みがある!何で?
-口腔カンジダ症編-

2021年03月03日

口の中に痛みやしびれ、不快感があるのに検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからない状態、いわゆる不定愁訴を訴える患者さんが増えています。原因がわからないので治療も難しく、周囲の理解も得られにくい。そんな経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。口腔内で起こる不定愁訴には、舌痛症、バーニングマウスシンドローム、口腔カンジダ症などがあり今回は口腔カンジダ症についてフォーカスして解説したいと思います。口腔カンジダ症とはカビの菌の一種で真菌に属するカンジダ菌によって引き起こされる日和見感染症なのです。
日和見感染症とは元来、カンジダ菌自体は病原性は低く口腔内常在菌の一種で他の菌と仲良く共存していますが免疫力が低下したり唾液量の減少し口腔内が不潔になったり長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。
口腔カンジダ症の見た目は白い偽膜が口の中の粘膜表面に付着しています。

舌に白い偽膜がある状態

この偽膜はガーゼなどでぬぐうと、とれますが剥離後の粘膜面は赤くやびらん状になっています。

白い偽膜が認められない状態では平滑舌のような舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が特徴のものもあり偽膜性よりもヒリヒリとした痛みが強くなるものもあります。また、両側性に口角がしょっちゅう割れやすい人はカンジダが原因になっていることが多くあります。

舌乳頭が萎縮している状態
両側性の口角炎はカンジダ症の疑いが

口腔カンジダ症の検査

直接、口腔内の粘膜や使用している義歯から滅菌済み綿棒で検体を採取し寒天培地で培養しカンジダ菌の有無を判定します。

滅菌綿棒で採取した検体を寒天培地で培養

口腔カンジダ症の治療

治療としてはフロリードゲルやファンキゾンシロップなどのカンジダ菌に効果のある抗真菌薬を含むうがい薬や塗り薬、薬の内服が必要になる場合もあります。

口腔カンジダ症の予防

口の中を常に清潔に保ち、適度な湿度を維持することが大切です。口が乾くドライマウスの症状がある場合はドライマウスの改善のための治療も必要になります。
入れ歯をご使用の方は毎食後入れ歯用ブラシなどで水道水を流しながら洗い、入れ歯洗浄剤で清潔にしましょう。

お口の中を常に清潔に保ちましょう


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医療法人社団マハロ会理事長でアンチエイジングの専門医として東京、千葉、埼玉に大規模歯科クリニックを5医院運営、法人理念は「予防歯科を通じて国民の健康と幸福に寄与する」ことをスローガンとし「歯を健康にしてアンチエイジングを手に入れる方法「歯科革命3.0」など予防に関する書籍を執筆、現在は一般社団法人日中友好予防歯科協会理事長として中国での予防歯科の普及にも尽力している。