口腔カンジダ症とは
2022年04月28日
そもそもカンジダ菌とは、カビの一種で、もともと口の中に存在する口腔常在菌ですが体の免疫力が低下したときに日和見感染症として口腔カンジダ症を発症させる場合があります。日和見感染症とは通常であれば病原性を発揮しない病原体が、身体の抵抗力が弱っている時に病原性を発揮しておこる感染症のことを言います。ステロイド薬や抗生剤を長期内服している患者さまにおいても常在菌のバランスが崩れることでもよく見られる現象でカンジダ症の中でも口腔内にできるものを口腔カンジダ症と言います。
症状は舌や頬、歯肉などの口の粘膜に白い苔のようなものが付着します。これはガーゼなどで拭うことができますが剥がすと赤く腫れ、場合によって出血や痛みを伴う場合があります。逆にこすっても剥離しないものは白板症といって悪性化する可能性が高いため注意が必要です。
また口腔カンジダ症は舌がピリピリと痛くなったりする舌痛症の原因になったり味覚がおかしくなることもあります。
また、口角が赤く切れたりする場合もありますがこれが両側性に出現するとカンジダによる可能性が大となりますので検査をおすすめします。
最近、外来でお見えになる患者さまで原因がよくわからない痛みを訴えられることがありますがカンジダによるものも一定数含まれるものと思われます。すぐに不定愁訴で片付けるのではなく医療従事者はその可能性なども含めて診療に取り組んでいかなければなりません。