口腔リテラシーを上げて年収アップ?歯並びと経済の相関性
2022年02月15日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
欧米人は体型だけでなく歯並びや口臭に対しても高い意識を持って様々な対策をしています。それは欧米社会の中でエグゼクティブと呼ばれるような方々はそれらのことをコントロールできないと自己管理能力がないと見なされ私生活がだらしないと仕事もできないと判断されるからなのです。
日本では「人間は外見より、中身が大事」と言われてきましたが確かに中身は大事ですが外見に無頓着すぎるのも良くないことは確かです。外国の調査研究によると見た目と年収に相関性があるなど興味深いデータもあります。今から数年前にNHK・Eテレ「オイコノミア」が「美しくなる経済学〜美しさの価値って?〜」の番組の中で米国テキサス大学の教授らによるデータを公表しました。それは「外見のいい人は、外見の劣る人より所得が17%高い」というものです。同様の調査結果に他の米国の機関からも報告されたもので「外見が優れている人は、生涯収入が12%上昇する」という調査結果もあるそうです。
その要因として考えられるのは、外見がいいと自己管理が出来ていると思われる、言動に自信がある、その結果コミュニケーション能力が高くなり、仕事上での評価が高まる。それが高収入につながると考えられます。欧米ではこのような理由で外見を気にする人が多いのです。では欧米で言われる外見の良さとは何なのか、それは太っているか、そうでないか、歯が美しいか、そうでないかという2点です。肥満の度合いは日本人は欧米に比べそれほどではありませんが歯が美しいか、そうではないかについては日本人は歯並びに関して無頓着すぎるという不名誉な評価を得ていて多くの外国人は日本人に対して歯並びが悪い、口臭が臭いなどと感じている人が多いという調査結果があります。顔の印象は歯で決まると言われています。グローバル社会の中で外国の方とコミュニケーションを取る機会は今後ますます増えていくことでしょう。そんな時、歯並や口臭に気を使うことは最低限のエチケットになるのではないでしょうか