口腔白板症について
2022年05月01日
口腔白板症とは口のなかにできる口腔がんの前癌症状として最も代表的なものです。好発部位は舌や歯肉、頬粘膜、口腔底、口蓋など口腔内あらゆる粘膜にできます。
見た目は白色の板状また斑状の病変があり表面性状は滑らか、あるいは少しざらざらしている場合や潰瘍を伴ったり角化して盛り上がったりしている場合もあります。白板症の特徴として病変部を拭っても取れず長期にわたって病変が残り続けるのが特徴です。見た目で混合しやすいのが口腔カンジダ症ですがこちらはガーゼなどで拭うととれるので鑑別に役立ちます。口腔白板症は基本的に痛みはありませんがびらんや潰瘍を伴う場合は食べ物が当たって痛んだりしみたりといった症状を伴うこともあります。
原因としては放置された虫歯や不適合な義歯や差し歯などによる慢性機械的刺激、喫煙やビタミンAの不足などが言われていますがはっきりとした原因はわかっていません。
口腔白板症は自覚症状が乏しいため、むし歯などの治療で歯科医院を受診した際に指摘されてはじめて気がつく患者さんが多いようです。このような自覚症状が出にくい病変はやはり定期検診で早期発見することが非常に重要になってきます。