唇に水膨れ!これって粘液嚢胞?
2021年05月07日
粘液嚢胞について解説したいと思います。
粘液嚢胞とは唇を噛んだり、唇に外的刺激が加わる事で唾液を出すための管に目詰まりが起こり、唾液が排出できなくなる事でそこに唾液が溜まり唇がぷくっと腫れてしまう状態の事です。
お口の中には唾液を分泌するための唾液腺がいくつも存在しますが唾液腺の種類には以下のような分類がございます。
①3大唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺があります
②小唾液腺には口唇腺、舌腺、頬腺、口蓋腺など口の中の粘膜全体に広がる小さな唾液腺があります。
これら唾液腺の中で粘液嚢胞に関係するのは、小唾液腺で、それは大唾液腺に比べて、小唾液腺は管が細く目詰まりしやすいからなのです。よくできる場所としては下唇の裏側が多く症状としては痛みを伴わないことがほとんどですが腫れた部分がうっとおしいということはあろうかと思います。
治療としてはまず経過観察をします。
特にお子様の場合は自然と小さくなり治癒することがあるためまずは経過を見ます。
その時の注意点は、腫れているところに新たな刺激を加えない事です。小さな子供は気になって触ったり噛んでしまって嚢胞がなかなか治らないケースや治っても再発を繰り返すケースも多くある事も事実です。
嚢胞がなかなか治らない場合や治っても同じところに何度も出来る場合は局所麻酔下で切除します。時間的には15分程度の簡単な手術になりになります。
嚢胞を小唾液腺ごと取ってしまうわけですが日常生活で必要な唾液量には全く問題ありませんのでご安心ください。
唇が時々腫れるという方、粘液嚢胞かも知れませんので同様の症状がある方は一度、お気軽にご相談ください。