奥歯を失うと、脳の老化が進む
2022年05月06日
歯周病と認知症、歯の有無と認知症の関係性は様々な調査研究で今までも明らかになっていますが国立長寿医療研究センターは令和4年4月22日マウスを用いた研究で奥歯の喪失が、脳の老化を進めてしまうとの研究成果を公表しました。
以前より歯の残存本数と認知機能の低下には深い関係性があることが言われていましたが今般、長寿医療研究センター研究グループではマウスを用いた研究によりこの点をより明確にしたかたちです。
研究では、老齢マウスの両側の第1臼歯を抜歯し、3か月後の認知行動や脳の変化を分析。そこから次のような状況の変化を研究グループは報告しています。
①顕著に自発行動量、空間作業記憶、運動協調性、が低下した
②脳の海馬(記憶に関連する部位)および視床下部(内臓や内分泌の働き、自律神経系などの調整を行う部位)における神経栄養因子や神経細胞が減少した
③脳老化の特徴の1つである「アストロサイトの増加」(アストログリオーシス)が亢進した
つまり、この結果を見ても奥歯を失うことで脳の老化が進んでいることが分かります。長寿医療研究センターでは「口腔ケアに留意し、自分の歯を健康に保ち続けることが脳の健康維持に重要である」と強調しています。
(出典 GEM MEDの記事より一部抜粋)