小中学生の4割に歯肉炎?
2021年11月11日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
本日yahoo ニュースで次のようなタイトルで記事が出ていましたのでご紹介いたします。「小中学生の4割に歯肉炎 歯科医院で歯石の除去を」
歯肉炎は歯周病の一種で、歯ぐきが赤く腫れて出血しやすくなるもので原因は歯の磨き残しによりプラークと呼ばれる歯垢で細菌のかたまりが歯と歯茎の境目にたまり歯肉に炎症を引き起こすものです。
今回の厚生労働省の調査では小中学生の4割がかかっているとの報告がありました。私どもからすると比較的多いなという印象ですがこれには原因があると考えています。
それは何かと申しますとコロナです。この約2年間にわたるコロナ禍において一定の受診控えがあり子供達の虫歯や歯肉炎が悪化したものと考えられます。ようやくコロナが落ち着いてきた昨今、子供達の口の中を見てみると明らかにコロナ前より虫歯や歯肉炎を含む口腔内環境は悪化しているのです。
特に小中学生の頃は乳歯と永久歯が混在する時期で歯並びもでこぼこして磨きにくくプラークが完全に除去しづらい状況があります。その上、コロナで外出が規制され、家でダラダラ甘い物を食べる時間が大幅に増えた事や今まで定期的に歯科医院で予防を受けていた人が受診控えをしてしまったために虫歯や歯肉炎を悪化させる要因になったものと思われます。ポケット部分に残った歯垢はやがて固まり歯石になりますが、そうなると歯磨きでは取り除くことが出来なくなり、それが長く放置されるとますます炎症がひどくなり歯を支えている骨が溶け始める歯肉炎からさらに一段進んだ歯周炎になる危険性が思春期以降に高まります。
歯周炎にまで進行してしまうと治す事が難しくなり、将来歯を失う原因になってきます。
まずはプラークや歯石をためないようかかりつけ歯科医に適切な歯磨きの仕方を指導してもらい、おうちでしっかり歯磨きをしましょう。そして歯石取りや定期的なチェック、予防のために歯科医院に連れて行ったりすることが重要です。
子どもの頃から口腔内環境を清潔にして大切にする習慣が身についていれば、将来にわたって口の中の健康を保てるでしょう。そのためにも、ぜひ、信頼のおける、かかりつけ歯科医を見つけ気になることは何でも相談できる環境を作る事が重要です。予防歯科のことならLeaLea歯科・矯正歯科クリニックまでお気軽にお声掛けください。