摂取嚥下障害とは〜原因について
2022年01月28日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
摂取嚥下障害を引き起こす原因として加齢による機能低下もありますが主な原因のひとつに脳卒中が挙げられます。脳卒中の急性期には約4割の方に摂食嚥下障害の症状が見られますが慢性期になっても全体の約5%の方に障害が残ると言われています。
その他の原因としましては加齢による筋力・反射の衰え、唾液の質の変化、分泌量の低下、嚥下の反射機能低下などの理由で、摂食・嚥下障害が起きます。また、虫歯や歯周病で歯を失いそのまま放置していると咀嚼することができなくなりそれに伴い唾液分泌量が低下し食塊をうまく形成することが出来ずに、むせを起こしやすくなるということもあります。他には器質的な変化によるものとして高齢になるとのど仏の位置が下がります。通常飲み込む時にはのど仏を持ち上げで食べ物が気管に入らないように働くわけですがのど仏の位置が下がり筋力が低下することによって、飲み込む時に、気道を閉じるのに充分な分だけのど仏が持ち上げることができず気管に食べ物が入ることでむせを起こすというわけなのです。
他、摂食嚥下障害を引き起こす病気にはパーキンソン病や口腔癌、認知症なども原因として挙げられます。
周りに飲み込みに関する事でお困りの方がいらっしゃったらいつでもお気軽に当院までご連絡ください。マハロ会所属の摂食嚥下の専門医がご対応いたします。