歯の詰め物が取れた時の注意点
2022年01月23日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
「食事中にガリっ?あれっ?歯の詰め物がとれてしまった」という経験をお持ちの方、いらっしゃると思います。本日は歯の詰め物がとれた際の注意点について解説いたします。歯の詰め物や被せ物は接着剤の劣化や詰め物自体の変形などで治療して長年経つと取れてしまうことがあります。
そのような場合はできるだけ早く歯科医院に行って治療を受けることをおすすめしますが仕事や学校の都合などで、すぐにいけない場合は次の注意点を守りつつ最短で歯科医院に行ける日程を決めていただき予約をとっていただくことをおすすめします。とれたものを合わせてみてなんともなければ接着しなおすだけで済みます。
①まず、出来るだけ早く治療を受けていただきたい理由としてとれて長く放置してしまうと歯が微妙に動いてしまい合わなくなったり噛み合わせが変わる可能性があるためです。最低でも1週間以内、できれば2〜3日中に治療を受けていただきたいのです。
②取れたものを容器に入れて大切に保管しておいてください。ティッシュに包んで保管する方もいらっしゃいますがゴミと思って捨てられる場合があるので要注意です。
③ 詰め物が取れた歯は、削られた状態が剥き出しになっているため非常に弱くなっています。その状態で硬いものを噛んでしまうと歯が欠けたり、ヒビが入ったり最悪の場合は折れてしまうこともあります。そうなると修復出来ずに抜歯という最悪の事態を招くことになります。ですので詰め物がとれた方でなるべく噛まないようにしてください。
④ 詰め物が取れた歯は、大変敏感になっています。特に歯の神経が生きている場合は冷たいものや熱いものを飲んだり食べたりするとしみたり痛みを感じる場合がありそれが継続的になると歯髄炎と言って歯の神経が興奮状態になり神経を取る治療からやり直さなくてはならないことになってしまいます。ですから歯の詰め物がとれた方で熱いもの、冷たいものの飲食は控えてください。
⑤ 詰め物が取れてしまった歯は、象牙質と言って歯の質がやわらかい部分が剥き出しになっていることが多いため食べかすが詰まったままにしてしまうと感染を起こし虫歯になりやすなります。ですので歯磨きをより丁寧にして清潔な状態を保つことを心がけましょう。
⑥最後にご自身で絶対に接着しないでください。たまにアロンアルファでくっつけたという方が来院されますがこれは大変危険な行為なので絶対におやめください。
以上のことをお守りいただきすみやかに歯科医院で治療を受けるようにください。何かありましたらお気軽にお電話お待ち申し上げております。