歯をぶつけて抜けてしまった場合の対処方法
2021年04月08日
子供の歯が外傷などによって抜けてしまった場合の対処方法について解説いたします。子供のうちは転んだり、鉄棒にぶつけたり、ボールが当たったりして不幸にして歯が抜け落ちてしまう事があります。しかしその後の対処が適切であれば抜けた歯をまた元の位置に戻し、固定させる事が出来る場合があるのです。その適切な対処方法とは歯を乾燥させない、感染から守る、再植固定まで2時間以内の3つが一応の成功の条件の目安となります。
具体的にはどういう事かと言うと歯を乾燥させないようようにするには「歯牙保存液」または「生理食塩水」、「牛乳」に浸しておきます。ティースキーパーネオという歯牙保存液が有れば一番良いのですが小、中学校の保健室に常備されているようですが一般家庭にはなかなかないと思いますのでその場合牛乳が1番良いでしょう。
牛乳もないときは、患者の口の中の舌の下の方に静かに置いて、来院してもらいます。
また、歯が抜けた時、歯ブラシを使って水道水などでゴシゴシ洗ってしまうと歯と骨をくっ付ける役割をはたす歯根膜という細かい繊維を無くしてしまうことになりますので注意が必要です。
歯の再植の成功の鍵となる歯根膜は乾燥にとても弱いので保存液や牛乳などに浸けてない場合での生存は30分が限界とされています。できるだけ早く再植処置を行うことが、成功の条件になります。
再殖後、感染などがあったら腫れたり発熱したりする場合がありうまくいかない事もあります。
また、うまくついたもののその後、著しい歯根吸収をおこし1,2年以内に抜去せざるを得ない場合もあります。
歯の変色などもおこります。成功率も低くデメリットもありますが子供の時期は顎の骨の成長期にあたりインプラントなどで修復する事ができないため、入れ歯などでなく自分の歯で過ごせることは子どもにとって意義は極めて高いといえます。