歯周ポケット検査で何がわかるの?
2022年03月01日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
歯医者で「歯周病の検査をしますね」と言われプローブという器具を使用して歯ぐきの中の状態を調べられたことのある人、いらっしゃると思います。歯茎の検査をすることで何がわかるのかというと歯周ポケットの深さを測ったり、歯茎からの出血の有無を調べることで歯周病の進行状態や回復状態をチェックすることができるのです。
歯周ポケットが2ミリ以内は正常、3〜6ミリは初期から中等度の歯周病、6ミリ以上は重度の歯周病と歯周病の進行度合いのおおまかな目安となります。歯周ポケットは深くなるにつれその溝の部分にプラークや歯石が溜まりやすくなりプラーク中の歯周病菌が出す毒素によって、歯肉は炎症を起こしやすくなります。そして歯肉の炎症がさらに大きくなると歯周病菌が歯を支えている骨を破壊し始めるため最後には歯が抜け落ちてしまうという結果になります。
よって歯周病予防のポイントは歯周ポケットを2ミリ以内に保ち歯周ポケット内をご自身で清掃しやすい状況をつくっておくことが重要なのです。深くなってしまった歯周ポケット内の清掃はご自身では出来なくなるので定期的に歯科医院でクリーニングを受けると良いでしょう。このようなことを継続しているうちに深くなった歯周ポケットも改善して浅くなってきます。定期的に歯周ポケットの検査を受けて改善の実感を感じながら歯周病予防をすることは継続へのモチベーションとなることでしょう。