歯周病と口臭の関係
2021年12月06日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
歯周病と口臭の関係について解説いたします。
まず口臭は生理的口臭と病的口臭に分類されます。生理的口臭とは朝起きた時や空腹時、女性の場合生理時やその前後ホルモンバランスの不調により発生する口臭の事を言います。
また、食餌性の口臭としてニンニク、ニラ、ネギ、など臭いの強いものを食べたあとの口臭やアルコールや喫煙による喫煙者独特の臭いやお酒を飲んだあとの二日酔いの時に出る口臭なども生理的口臭に分類されます。これに対し病的口臭とはおもに原因が口の中に由来するものと全身の病気に由来するものに大きく分かれます。口由来の口臭にはおおきな虫歯や歯周病、舌苔、口腔清掃不良、ドライマウスなどが原因としてあげられますが大部分は歯周病によるもので80%くらいが歯周病由来の口臭と言われています。歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり歯周病菌の格好の住みかを提供することになります。この歯周病菌が代謝の過程で出すメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物が口臭のもとになるのです。
全身疾患由来のものには慢性副鼻腔炎やアデノイド等、耳鼻咽喉系の病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患、癌やストレスなどが原因で口臭が起こる場合もあります。その他、実際は口臭はそれほど強くないのに自分自身で強い臭いがあると思い込んで悩む心理的口臭症などがあります。
いずれにしても口臭は複合的な原因から成り立っていることが多いため、どこに原因があるのかを突き止め原因の排除をしていかなければなりません。口臭治療は口臭に対し見識の高い歯科医院で行うとことをおすすめします。日本口臭学会ホームページなどを参考にすると良いでしょう。当院にも日本口臭学会で研鑽を積んだ認定歯科医師が在籍しておりますのでお気軽にご相談ください。