歯科における外科治療を受ける際必ずお伝えいただきたい病気があります。それは骨粗鬆症です。
2021年05月18日
歯科治療を受ける際、必ずお伝えいただきたい病気、骨粗鬆症について解説いたします。初めて歯科治療を受ける際には全身状態や今までかかった病気などの既往歴や服薬状況について問診をさせていただいております。
その中でも特にというわけでもありませんが骨粗鬆症にかかっている方でビスフォスフォネート系製剤を服用の方は特に外科処置の際に注意が必要です。ビスフォスフォネート系製剤(以下BP製剤)は骨粗しょう症やがんの骨転移などに対し非常に有効なため、現在多くの方々が使用されています。このBP製剤服用中の方が抜歯などの外科処置を受けると顎骨が壊死する場合が一定程度、発生することが分かってきました。顎骨が壊死すると、歯肉が腫れ、痛みや排膿、歯の動揺などが生じ海外での報告では、抜歯を行った場合、骨粗しょう症で、BP製剤の内服をしている患者さんでは0.1〜0.3%、癌に対して使用されたBP製剤の注射を受けている患者さんにおいては6〜9%と高い割合で顎骨壊死が生じたと報告されています。あごの骨にあまり影響のない虫歯などの一般治療はあまり問題ありませんが抜歯、インプラント、歯周外科など顎骨に侵襲が及ぶ治療は内服期間が3年以上の場合は、かかりつけ医と相談の上BP製剤内服中止可能であれば、少なくとも3カ月間はBP製剤の内服を中止し、オペ後も骨の治癒傾向を認めるまではBP製剤は休薬していただきます。このようにBP製剤服用中での外科処置は危険を伴う可能性がありますので問診時に必ずお申し出ください。