逆流性食道炎と虫歯の関係
2021年07月24日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
逆流性食道炎と虫歯の関係について解説いたします。逆流性食道炎とは胃酸が逆流することによって引き起こされる病気です。
主な症状としては・胸焼け、むかつき、食道やのどの圧迫、痛み、異物感、食欲不振、口の中が酸っぱいなど様々なものがあります。
胃酸は非常に酸性度が高いのですが胃の粘膜は酸から粘膜を保護する機能が元々働いています。しかし、食道にはこの保護機能が無いため胃酸が食道に逆流すると食道の粘膜は胃酸にさらされ、炎症を起こしてしまうことになります。なので胃から食道への逆流が繰り返し起こると、食道の粘膜は慢性的に傷つくことになりただれや潰瘍が生じ上述のような不快な症状が起こることになります。歯科との関連性で言うと逆流性食道炎によって酸蝕症が起こります。酸蝕症とは歯が強い酸によって歯が溶かされる病気のことで虫歯や知覚過敏と同じ状態を作ります。
逆流性食道炎の症状がある方は早めに治すことをおすすめします。治療法としてはプロトンポンプ阻害薬などの胃酸の分泌を抑える薬が用いられるようです。生活習慣上の予防法としては、暴飲暴食を避け規則正しい食生活や軽めの運動、禁煙、お酒を飲み過ぎないなど生活習慣の改善でいつもいわれるような内容をきちんと実践することが大事です。