87600回、これって何の数字?
2021年06月14日
本日は87600回という数字について解説したいと思います。
これは一体何の数字でしょう。それは80歳までに1日3回食事をしたと仮定した場合の食事回数(3回×365日×80年)です。厚生労働省と日本歯科医師会が推進している8020運動は80歳まで20本の歯を残して充実した食生活で健康的な人生を楽しみましょうという運動ですが1989年(平成元年)に制定されたもので少し時代背景にズレが生じてきているのも事実です。
厚生労働省のまとめによると、2019年日本人の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳となり、女性は7年連続、男性が8年連続で過去最高を更新しました。8020運動が制定された1989年当時の女性の寿命は81.77歳、男性75.91歳で8020で間に合ったわけですがそれからは男女共に5年半以上も寿命が延びています。これは医療技術の進歩に加えて、人々の健康意識の高まりも影響しているものと思われます。まさに人生100歳時代も夢ではなく現実のものとなりそうなのです。それを踏まえて考えると100歳で20本の歯を残す10020運動を展開しないといけないということになります。20本の歯があればたいていのものは食べられるということで20本の歯を残すことを目標に予防歯科を展開していますがまだまだ北欧や欧米に比べると日本の予防歯科の普及率は低く歯の残存率も北欧や欧米に劣っています。若いうちから歯医者に通う習慣を身につけ予防歯科を継続することことでいつまでも美味しく食事をいただき健康的で幸せな人生を送ってもらいたい。それが我々歯科医師の願いなのです。