インプラントをお薦めできない患者さんとは?
2021年03月29日
本日はインプラントを積極的にあまりお薦めできない症例について解説いたします。
高いお金を払ってせっかく入れたインプラント、長く持ってもらいたいですよね。そう考えるのは私どもも一緒です。治療の成否は個々の症例の環境によるところが多く関わっていますので以下のケースでは長く持たせるという意味での成功率は下がると考えています。
①未成年の方(およそ20歳以下)
顎の骨がまだ未発達であり、成長段階にある状態ではインプラントはできません。
②たばこを吸う方
タバコの成分のニコチンの血管収縮作用によって血流が悪くなり、オペ後の治りが悪く骨との結合にも悪影響が出ます。
③妊娠中の方
オペを行う際はレントゲン撮影を行わなければならずまた、麻酔、外科手術など身体に負担をかけることにもなります。術後には抗生物質、痛み止めの薬などの服用によって副作用が起こる可能性があるため妊娠中はやめた方が良いでしょう。
④コントロールされていない糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患や持病のある方
糖尿病があると免疫力が低下するためインプラント周囲炎も起こしやすくなり、脱落の原因になってきます。
⑤血液疾患のある方
白血病や血友病などの血液疾患をお持ちの方は術中、術後の出血が止まらなくなる可能性がありますので禁忌です。
⑥重度の歯周病がある方
歯周病が重度の方は口の中に歯周病菌が多く存在すると思われるのでインプラント周囲炎にかかりやすくなり脱落の原因となります。歯周病を治してから治療をお薦めするのと同時にオペ後もしっかりメンテナンスをしていく必要があります。
⑦インプラントを入れる場所のあごの骨の量が薄い・少ない方
インプラントを入れる場所の骨の量が少ないと物理的に固定を得ることが困難になります。
⑧歯軋り、食いしばりのある方
歯軋り、食いしばりのある方はインプラント体に過度な負担がかかるのでオペ後はマウスピースなどの使用も検討した方が良いでしょう。
⑨チタンアレルギーのある方
インプラントはチタンという金属で出来ているものが多いのでチタンアレルギーの方は注意が必要です。チタン以外のインプラントを選択する必要があります。
⑩メンテナンスができない方
オペ後はメンテナンスが必須です。歯周病と同様、予防管理をしっかり行えないと清掃不良からインプラント周囲炎という歯周病に似た状態になり脱落の原因になります。