過剰歯について
2021年08月09日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
本日は過剰歯について解説いたします。過剰歯とは読んで字の如く歯が過剰にある状態を言います。本来、歯の数は乳歯で20本、永久歯で28本、親知らずを入れて32本あるわけですがそれ以上ある場合は、過剰歯があるということになります。
過剰歯の好発部位は上の前歯の裏側に生えることが多く歯茎から歯冠と言われる歯の頭の部分が生えて見えている場合と、顎の骨に埋まったまま生えてこない場合があります。どちらも歯並びに悪影響を及ぼす事が考えられます。生えている場合は目視で過剰歯とわかりますが生えていない場合はレントゲンを撮ってみないとわかりません。
原因は顎の骨の中にできる歯胚と呼ばれる歯の元となるものが余分に作られてしまったり、分裂してしまったりすることが原因と言われてます。過剰歯による弊害は歯並びへの悪影響の他に永久歯の歯根を溶かしたり嚢胞を形成する可能性がある事です。
治療としては抜歯が基本になりますが隣接する歯に影響が出ないように抜かなくてはならない為、抜歯に適切な時期を判断しながらの処置ということになります。タイミングが早すぎると永久歯の歯根を傷つけたりするためです。完全に顎の骨の中に埋まっている場合は抜歯の際の外科的侵襲が大きくなる為、大学病院などでの抜歯を勧められる事が多いようですが当院では口腔外科学会専門医で指導医の資格を持つ熟練の歯科医師が在籍しておりますので安心してはお気軽にご相談ください。