歯周病と肥満の関係
2021年09月04日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
歯周病と肥満の関係性について解説いたします。
歯周病と肥満?一見なんの関係も無さそうですが歯周病と肥満の間には密接な関係があり相互に作用しているのです。まず九州大学で行われた調査結果を見てみましょう。BMIが20未満(やせ、正常)の人の歯周病リスクを1とすると、BMIが20~24.9(正常)の人は1.7倍、25~29.9(肥満1度)の人は3.4倍、30以上(肥満2度以上)の人は8.6倍とBMIが高くなるほど歯周病になるリスクが高まるという有意な相関性が見られます。
その理由は内臓脂肪で作られるTNF-αという炎症性サイトカインが原因とされています。TNF-αはまた、一方で歯周病の重症度が高い人ほど多く検出される炎症性サイトカインでもあります。よってTNF-αが多いと歯周病も肥満にもどちらも悪影響を助長するということになるのです。
ですから歯周病を放置すると肥満になりやすく、肥満になると歯周病が悪化するといった負のスパイラルに陥ることになるのです。最近、太り過ぎたなと思う方は歯周病への注意も必要です。ダイエットも試みながら予防歯科を始めてみませんか?