歯周病検査ってなにをするの?
2021年12月10日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
歯周病の検査についてなにをするのかを解説いたします。歯周病治療を行うにあたり歯周病検査は必須です。現状の把握をして治療計画をたてるための指標となるだけでなく治療途中、または治療後の結果の指標になるからです。検査は以下の項目を行なっています。
①レントゲン診査
歯を支える歯槽骨の状態を調べるのに最も効果的な検査です。エックス線検査により歯槽骨の溶けてなくなった範囲や程度を知ることができます。撮影には2〜3本の歯を診るデンタルX線とお口全体の状態を診れるパノラマX線写真がありますが初診時には総覧的に診て治療計画を立てやすいパノラマX線写真を撮ります。ちなみにデンタルX線写真法で全体を把握しようとすると14枚の写真が必要ということになります。
②歯周ポケット診査
歯周ポケットの診査は、歯周病の進行状態を評価するために必須な検査で、直視できない歯肉の内側の歯周ポケットの深さや診査時の出血で炎症の有無を診ることができます。基本的に歯周ポケットの深さは2㎜以下が健康 2~6㎜は軽度から中等度の歯周病、6㎜以上になると歯周病が重度に進行している可能性があります。
③歯の動揺度診査
歯の動揺度によって歯周病の進行度合いを測定します。歯に動揺が出てきた場合は、歯周病が相当進行している可能性があります。
動揺度0 生理的動揺(0.2mm以内)正常でほとんど動揺はありません。
動揺度1 初期の歯周病で頬舌的に1方向に動く(0.2〜1mm)
動揺度2 進行した歯周病で歯が頬舌的 、近遠心的2方向に動く(1〜2mm)
動揺度3 重度の歯周病で歯が頬舌的 、近遠心的に加え上下の3方向に動く(2mm以上)
以上が基本的な歯周病の検査項目ですがこれに加え当院では治療前、治療途中、治療後で口腔内写真を適宜、撮影し治療経過を継続的に観察しています。歯周病を本気で治したいという方は歯周病が進行してからではなく軽度のうちから治療、メンテナンスをし、良い状態を保ってもらいたいと考えています。