顎関節症の原因
2022年01月06日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
顎関節症の原因について解説いたします。顎関節症の原因は顎の関節や筋肉に負担がかかる要因が多因子で複合的に絡み発症する説が有力です。顎の関節や筋に負担がかかる要因とはどんなものがあるでしょう。そのひとつひとつについて以下に列挙してみます。
① 元々の顎関節や顎を動かす筋肉の構造的弱さや関節円板のずれ
② かみ合わせの悪さによって顎の関節や筋肉が正常の動きをせず顎自体に負担してをかけてしまう。
③歯ぎしりや食いしばり
④精神的ストレス(精神的な緊張は、筋肉を緊張させます)
⑤ 顔面打撲や事故による外傷
⑥唇や頬の内側をかむ癖、爪を噛む癖がある、頬杖をつく、猫背などの不良姿勢、うつ伏せ寝などの生活のなかでの不良習癖
⑦ 硬いものをよく噛むことによるアゴの酷使や左右どちらか一方でばかり噛む癖がある。
⑧吹奏楽やバイオリンなどの楽器をしている。
⑨TCH(Tooth Contacting Habit )と読んで字の如く歯の接触癖というわけですが人間は口を閉じていても上下の歯は接触していないのが普通ですが口を閉じているときに上下の歯が噛んでいるという癖をお持ちの方がいらっしゃいます。そうすると顎の関節や筋肉に持続的な負担をかけてしまうことになります。
上記のような要因が複合的に重なって顎に対する負担が大きくなり、その人の持っている耐用力を超えると顎関節症の症状が出るのです。医学的アプローチで加療するだけでなく思い当たる不良習癖があればそれも排除していかなければなりません。顎関節症の症状がある方は当院までお気軽にご相談ください。