パソコンと顎関節症の関係
2022年01月10日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
パソコンと顎関節症の関係について解説いたします。現代人にとってパソコンやスマホは欠かせないものになってきています。それらの端末が顎関節症の原因になっているのではないかということについて考察してみたいと思います。
顎関節症とは元々かみ合わせのずれからくると考えられていましたが、最近では顎関節症の原因としてストレスによる歯ぎしり・食いしばり、ほおづえやうつぶせ寝等の癖、トランペットやクラリネット、バイオリンなどの楽器をする、もともとの顎関節の解剖学的要因など、さまざまな要因が積み重なり、顎関節の許容量を超えたところで病気が発症すると考えられるようになってきました。上記のような原因に加え昨今ではパソコン、スマホなどを長時間、前傾姿勢で使用する人で特に下あごを前に突き出すような姿勢で画面を見る人は、あごへの負担が大きくなりやすくこれが顎関節症の原因になっているのではないかと言われるようになってきました。パソコンを使用する際の姿勢を想像してみてください。少し前かがみになって顔を起こした状態で長時間画面を見ていませんか。この姿勢こそが顎の関節に負担をかけているのです。
思い当たる方で顎のあたりに痛みや違和感を感じている方がいらっしゃたらパソコンを使用する際の姿勢に気をつけるとかあまり長時間の使用にならないよう注意することが必要です。そして早めに歯科医院を受診するようにしてください。