残存歯が10歯未満になると要介護状態になるリスクが15倍に跳ね上がります。
2022年09月27日
2005年日本老年医学会雑誌に福岡大学医学部衛生学教室が発表した要介護と残存歯に関する疫学研究で興味深い論文を発見しました。この疫学調査は実際、要介護4・5の高齢者60人と元気な高齢者60人を対象として調べたもので要介護状態になるリスクは糖尿病になると正常な人に比べ3.5倍になるのに対して歯の数が10歯未満になると15倍に跳ね上がるとなんと脳梗塞や心筋梗塞などの循環器系疾患や癌の原因疾患である糖尿病より残存歯数が少なくなるほうが要介護のリスクが高まるというこの疫学調査はたいへん興味深いものでした。この論文を読んで我々歯科医療従事者は患者さま方にこの事実をしっかり伝え、予防の重要性をご理解いただく努力をもっとしていかなければならないと決意を新たにしました。