最近、増えている舌痛症(ぜっつうしょう)とは?
2020年11月24日
ストレス社会が作る新種の病気~最近、増えている舌痛症(ぜっつうしょう)とは?
越谷市にあるマハロ会本院のかみむら歯科矯正歯科クリニックでもそうですが、
この度、新しく開院した八潮市のLeaLea歯科・矯正歯科クリニックでも診療において傾向的に多くなっているひとつの病態があります。
それが「舌痛症」です。
「舌痛症」とは、口の中の粘膜に生じる原因不明の痛みで口腔内灼熱症候群(バーニングマウス症候群)
の一種です。
舌痛症の症状は舌のヒリヒリ、カーッとした痛みや灼熱感で、舌に明らかな炎症や潰瘍などの所見が見られないのが特徴です。
舌痛症の痛みの程度は、軽いものから時に日常生活に支障が出るほど重篤なものもあります。
ここ最近、当院でも舌痛症で来院される患者さんは増えており、社会構造の変化により社会的なストレスが発症と密接な関係があることがわかっています。
また患者さんの特徴として舌痛症の患者さんは、不安やうつを伴っている場合が少なくなく、仕事場や家庭でのストレスが痛みを増悪させ舌痛症のトリガー(誘因)となることが知られています。
一方、何らかの病気が背景にあって、舌痛症と同様の痛みを起こすものもありますので、しっかり鑑別診断し適切な処置をしなければなりません。
舌痛症の症状を呈する疾患は、以下のようなものがあります。
1.
全身的問題
(ア)糖尿病
(イ)シェーグレン症候群
(ウ)貧血
2.
局所的問題
(ア)不潔な口腔環境
(イ)悪習癖(舌を歯に押し当てる、唇をかむ)
(ウ)不良な(鋭縁のある)補綴物
(エ)口呼吸ならびに唾液分泌障害、口腔乾燥症
(オ)舌神経・下歯槽神経傷害の既往(歯科治療後、帯状疱疹後神経痛)
(カ)放射線治療後
(キ)歯科材料アレルギー
(ク)扁平苔癬
(ケ)口腔カンジダ症
(コ)単純ヘルペスや帯状疱疹(帯状疱疹後神経痛を含む)等、ウイルス感染症