虫歯ができるメカニズム
2021年11月23日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
虫歯ができるメカニズムと題してどのようにして虫歯になっていくのか紐解いてみましょう。まず、食事をする事で歯に食べカスが付着し口の中の虫歯菌が食べカスに含まれる糖分を摂取します。そして摂取した糖分を使ってプラーク(歯垢)を形成します。プラークとは、食後8時間程度でできる微生物の塊のことで歯の表面をこするととれる白いやつです。食べかすが細菌の栄養源となるために、食後に発生します。
そして歯垢中の細菌はどんどん増殖し糖分を餌に乳酸などの酸を生成するようになります。
この高濃度の酸が歯を溶かして虫歯になるというわけなのです。虫歯は、様々な要因が重なって発生しますがその要因のうち大きく関わっているのが、糖分(ショ糖)、虫歯菌(ミュータンス菌)、歯の質(エナメル質・象牙質)です。これに時間の要因が加わります。
このメカニズムを理解して予防に役立てることが重要なのです。食べ物を食べたあとは歯磨きをきちんとして食べかすを残さない。歯垢を取り除き虫歯菌の温床を放置しない。虫歯菌の餌になる糖分をダラダラと食べないなどを心がけることで虫歯はある程度防げるのです。ある程度と言ったのは個人でやる予防には限界がありパーフェクトに歯垢やバイオフィルムを取り除くことは困難だからです。日頃のホームケアに加え定期的にプロフェショナルケアを入れていけばなおよろしいかと思います。3ヶ月に1回程度は予防で歯医者さんに通う習慣をつけましょう。