口臭測定って?
2021年10月29日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
口臭測定について解説いたします。当院の口臭外来では口臭測定はオーラルクロマという器材を使用しています。
オーラルクロマは、口臭の主要成分とされる揮発性硫黄化合物(VSC)を硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドに分離し、その濃度を測定する口臭測定器です。測定方法は以下の通りで簡単にしかも客観的にご自身の口臭の強さを確認することができます。
①専用のシリンジを口にくわえ前歯でしっかり固定して30秒間口内ガスをためシリンジを2〜3回ひいて口内ガスをシリンジにためます。
②あとはオーラルクロマ本体にシリンジで採取した口内ガスを注入するだけ
③ ガスクロマトグラフ方式により口臭の原因、または治療の効果の確認が行えます。また検査結果を、プリントアウトしてお渡しできるので視覚的に口臭レベルを確認することができます。
大まかに硫化水素の濃度が高い場合は舌苔由来の口臭、メチルメルカプタンの濃度が高い場合は歯周病由来、ジメチルサルファイドの濃度が高い場合は口腔以外に原因があることが考えられます。原因として考えられるところをさらに精査して問題が有ればその治療や原因除去をする。また、それと同時に当院では口臭ケアグッズのご紹介もさせて戴いております。
また、一方で口臭に悩む方の特徴として実際は口臭が無いのに自分には口臭があると思い込んでいる歯科心身症の方も多く見られます。症状が軽い場合は検査結果をお知らせし口臭が強くないことを説明すると納得していただける場合もありますが思い込みが激しくなかなか納得されない場合は心療内科と連携して治療に当たることもあります。
ご自身の口臭が少しでも気になるという方はまずは口臭測定してみては如何でしょうか。ご自身の口臭を客観的な数字として知る事は有効な事だと思います。