喫煙と歯周病の関係
2021年12月02日
執筆者:日本抗加齢医学会専門医 上村英之
本日は喫煙と歯周病の関係性について解説いたします。
お酒は「百薬の長」などと表現されることがあります。勿論飲み過ぎは良くないわけですが、一方タバコに関しては「百害あって一利無し」とバッサリ切り捨てられています。タバコは肺や循環器系をはじめ身体に対して悪影響しかもたらしません。これは身体だけでなく歯周病に対しても言える事です。タバコが歯周病に対してどのように悪影響を与えているか紐解いてみましょう。
まずはタバコに含まれるニコチンによる血管収縮作用によって歯ぐきの血行が悪くなり、歯ぐきに充分な酸素や栄養が行きわたらなります。
そして免疫力が低下するので歯ぐきの抵抗力が弱まり歯周病菌と戦ってくれる白血球の働きが半減することで歯周病を助長してしまう結果になってしまいます。
また、喫煙によって唾液の分泌が抑えられるため、口の中の自浄性が低下しプラークや歯石が付きやすくなることで歯周病が進行してしまうというわけなのです。
以上のように喫煙は歯周病の大敵です。毎日の歯ブラシやケアは大事ですがこういう根本的な生活習慣を改善していなければその効果は半減してしまいます。しかしタバコには依存性があり「わかっちゃいるけどやめられない」という方も多いのではないでしょうか?現在は科学的な禁煙治療が確立されてきており昔の禁煙に比べるとずいぶん楽に禁煙できる時代になってきています。禁煙することで健康を取り戻し、お財布にも優しいということになれば禁煙にチャレンジしてみる事は大変価値ある事だと思います。禁煙外来の門をたたいてみたら如何でしょうか。